異業種と話をする機会が多々あり、先週は飲食関係の方々と話しました。お二人とも30代前半。板前さんとパン職人さんです。どちらも勤め先を辞めようと考えています。そこに至るまでの経緯についての話を聞きながら、リペゾウの頭に浮かんだ言葉は、一昔前の流行語【社畜】です。
先ずは板前さん。勤め先は東証上場系列のホテル。一泊十万円からという、都内裕福層をターゲットとした豪華ホテルです。そこの和食部門で、かなり上にいます。毎朝7時前に出勤して準備を始め、仕事が終わるのが夜10時過ぎ。勤務日は朝食も昼食も取りません。料理の味見をしながら、つまんで済ませるそうです。もし昼に時間が取れるなら、食事よりも仮眠したいそうです。懐石料理ですが、舌の肥えた富裕層が相手です。手を抜くと即座に指摘が入ります。(;´∀`) 緊張で心臓がドキドキするのも珍しくないそうです。
次のパン職人さんは、自社ブランドを持つ有名店勤務です。もうすぐ年越しが来ます。昨年は晦日の19時に出勤して、年明け早々の開店に備えて準備に入ったそうです。そのまま正月4日が終わるまでの合計睡眠時間は5~6時間ほど。あとはひたすらパンを作っていたそうです。(;´∀`)、毎年かなりの人数を採用しますが、10年過ぎて残っているのは1~2名。店長クラスまでいくと、既に人生を悟った状態になるようです。
どちらの勤務先も、それなりに名前の通った会社です。労務管理も当然していますが、実態は表面を繕っているだけ。決まった時間まではタイムカードも押せず、あとは全てがサービス残業。実労時間で考えると、確実に最低賃金を割ります。以前から思っていましたが、日本は現場作業者に対して冷たいです。働き方改革とか綺麗ごとを言う前に、現場に要求するクォリティを下げるか、或いは思いきって待遇を倍に引き上げるかのどちらかです。これだけ働いて手取り20万は悲しいです。体を壊す前に決めた方が良いと、二人にはアドバイスしときました。
好きな仕事というだけでは、若い人だって長続きしません。レベルの高い仕事をしてもらうには、いろいろな意味での余裕が必要です。最低賃金以下の現場作業者に、最高レベルの仕事を要求する経営陣が狂っています。